AE111 20バルブエンジンを乗せる

最近、更なるパワーUPといつか壊れてしまうエンジンの為にどうしたら良いかと色々考えておりました。
AE101エンジンをベースにし、ハイカムを入れるか・・・などと。
そんな時、AE111エンジンがあるということで良くお世話になっているショップ ProShopKAWAIさんにて格安で譲ってもらいました。
ということで仕様変更です。

AE101エンジンは皆さんも知っているようにグループAでも使用されるなど強度的にも十分なエンジンです。
しかし、いざ作用角の大きいハイカムを入れるぞというときにはカムの逃げ加工をしてあげなくてはいけません。
その点AE111エンジンは同じ20バルブエンジンでも作用角の大きいハイカムを入れるとき逃げ加工をしなくて良いのです。
しかも標準で圧縮比が101より高いのです。ですのでAE101エンジンより簡単にパワーUPさせることができます。
この点を考え今回はカムのお金をエンジンへ・・・。

まずはエンジンの取り外しです。
水を抜き、ミッションオイルを抜き。
下に流れてしまうものは全て抜いてしまいましょう。
これから先はエンジン下でする作業もありますので。
ちなみにオイルクーラなどが付いている場合にはエンジンオイルを抜くことも必要です。

水が全て抜けたら今度はラジエタのパイプ、ヒータのパイプを外します。
この時、ラジエタ本体も外してしまうことをお勧めします。
ラジエタ本体が外れましたら今度はガソリンのホースを取り外します。
このとき、ガソリンタンクのキャップを外し、配管内の圧力が抜けるようにしてください。
もし抜かないと・・・ガソリンがたっぷり漏れてきます。
ガソリン配管を外した後の処理はネジで漏れを止めるなどしてください。
まぁ1時間もすると漏れなくはなりますが・・・気持ちの問題です。火事になるのも・・・ですので。

全て抜き外しましたら次にタコ足、配線を外します。
私の場合はFUJITSUBO製ですので集合部後ろから外してしまいました。
エアコンの配管が少し邪魔ですが知恵の輪のようにして上から抜いてしまいます。

タコ足を外しましたらエンジンとミッションを切り離す準備をします。
まずはセルモータを外します。
次にミッションにつながっているクラッチレリーズシリンダ、スピードメータへのワイヤ、バックランプ用配線、アースを取り外します。
以上、を外しましたらプロペラシャフトを外します。
プロペラシャフトを外す場合にはミッションのギアを入れてロックをかけると簡単にデフ側を外すことができます。
また、プロペラシャフトを外しましたらミッション後端に軍手、あるいはプロペラシャフトの先端を切ったものを詰めておくとオイルが漏れなく作業が楽になります。
また、シフトをはずす場合には普段皆さんはねじロック剤などを使用してシフトを固定していると思います。何度も取り外しをしていると結構このネジが馬鹿になってしまうのでシフトを固定しているCリングを外してしまう方法が簡単化と思います。

プロペラシャフトを外しましたらエンジンとミッションを接合しているネジを全て外し、ミッションを切り離します。
ミッションを切り離したらいよいよエンジンの取り外しです。
エンジンマウントを切り離してください。

ミッションが切り離されてついにエンジンを吊り上げます。
今回はラジエタを取り付けたまま外したのですが無い方が簡単です。

やっとエンジンが下りました。
この状況を拝むのは何回目でしょう・・・。

エンジンを下ろしましたら今まで取り付いていた補機類、オルタネータ、マウント、ブラケット等の86で使用していたものを取り外します。
ちなみにAE92以降のFF車のプーリ関係は86のものとオフセット違います。
(確か・・・2mm違ったと思います。)
使用するときは使用する車種と同じもので統一して使用しましょう。

順調に部品を取り外していましたがこのときに問題が発生!!
AE111のタイミングベルトはバネで押すタイプになっています。
AE101まではスプリングで引くタイプでしたので・・・。
万力で挟んで細いピンを打って出てくるのをとめましょう。
私の場合は六角を入れてしまいました。

また、ブロックへの取り付け時に86用ウォータポンプではブロック本体が当たってしまいます。
その他にオルタネータのブラケットが当たってしまいました。
ということでオルタネータのブラケットとブロックを現物合わせで削ってしまいました。
それでもしっかりと取り付きます。

この写真は左が111ブロック、右が101ブロックです。写真中央付近のウォータポンプ取り付けネジ周辺の肉厚の違いがわかるでしょうか?

タイミングベルトを張る為の逃げ加工をオルタネータブラケットに施しています。
リブが削れているのがわかるでしょうか?

エンジンを下ろしたついでに・・・
ヘッドガスケットをTRDの0.8mmに交換してしまいます。
ヘッドカバーを取り、カムプーリを外します。
そしてヘッドの端から順番にねじを緩めていきます。

全てのねじを緩め部品を外します。
ブロック側にガスケットが残ると思うので残ったガスケットはスクレパーなどできれいにしましょう。

ブロック面を綺麗にしましたらメタルガスケットを乗せます。

後はヘッドを再度乗せて規定トルクでヘッドを締め付けていくだけです。
規定トルクはヘッドボルトは300kg・cmで一度締めそこから90°回転しボルトを一周。さらにもう90°回転です。
この閉め方は塑性域締め付け方法と言うらしいです。
カムプーリは600kg・cm、カムボルトは175kg・cmです。

ついにエンジンが完成しました。
今度のエンジンです。

ブラケット関係などを移植したエンジンがこのエンジンです。
はっきり言って以前と全く違いがわかりません。
今回はエンジン単体で購入したので4連スロットルは101のものを使用しています。
この状態でどのような状況になるかはわかりませんが。
ファンネルからポートが絞られて流速が速くなるような・・・それとも吸入抵抗になるような・・・。
後日セッティング終了後に状況がわかるでしょう。
ただ、私が思うにインナーベンチュリーなどを入れてポートを絞ってトルクを上げるというような手もありますので低速ではトルクフルに高回転は気持ちいいような状態になるような気がします。
実際にAE101の4連スロットルでも200馬力を越えるのがグループA でしたし。
それ以上を狙うならAE111スロットルかな?と期待をしております。

実際に乗せてみていざ点火ですが何故かバッテリをつなぐとアース溶接機のように・・・。
色々抵抗値を計っていくと何故か?セルモータでショートしていました。
しかし、原因不明で再接続時には正常に・・・。
20年も経っている車では熱で配線の被服などがかなり痛んでいるのでこのようなことがあるのでしょうか?

接触を修正し、いざ点火しましたが問題無く点火。
ダイレクトイグニッション仕様ですので不要なプラグコードを治具とし、点火タイミングを計ります。
後は規定値に点火タイミングを合わせセッティングのみです。

今回は同じ20バルブエンジンからの交換でしたがこの効果はどのくらいなのでしょうか・・・。


HOMEへ