ハブベアリングのオーバーホール
先日ハブベアリングを応急処置しサーキットへ行きました。
しかし、ハブにガタがあるまま走ることはタイヤがハブごと外れてしまうなどのトラブルのもととなり大変危険です。
1時間程度の作業ですのでベアリングさえ手元にあれば簡単に出来てしまう作業です。
まず始めにタイヤを外し、ホイルスペーサを外します。
このときもう一人他の人に手伝ってもらうとスペーサを外すのが簡単です。
もし一人で作業する場合は棒を使いシートとブレーキペダルの間に入れブレーキをかけるようにしてください。
次にハブベアリングのキャップを取外します。
ハブ本体とキャップの間にマイナスドライバを入れて叩くと外れてきます。
キャップを外しましたらナットの回り止め用のピンがスピンドルに刺さっていますので出来るだけ真っ直ぐに戻して外します。
真っ直ぐに戻して外すことが出来ればこのピンは再利用できてしまいます。
実際に写真のピンは今回で4回目の再利用ですので。
しかしこのピンは1本110円位(01.12現在)のものですので新品を準備しても良いでしょう。
私の場合は10本程常備しておりますが今回も再利用したいと思います。
ピンを外しましたらナットのキャップを取外します。
するとナットが出てきますのでこの時の緩めるトルクを覚えてください。
ナットを外しましたらその下にあるワッシャーを外します。
このワッシャは購入時から使用しているのでどのくらいの期間を使用しているか分かりません。
ちなみに購入は7年前のものです。
これがハブをばらした部品です。
今回はKOYO製の互換部品(純正も同じパーツを使っています。)をオーバーホールに使用したいと思います。
まだ値段の見積もりを取っていない為、正式な値段は分かりませんが純正で購入するよりは安いと思います。
ただし、インナーのシールに関しましては純正のものを用意するしかないので純正品を購入しました。
画像をクリックすると書くベアリングの箱が拡大表示されますので参考にしてください。
これがベアリングを購入したときの内容物になります。
次にベアリングとその軸受けを取り外すのですが写真のようにマイナスドライバをハブ内の淵に当て叩き出します。
これがそのときの取り外した軸受けです。
取り外すときは内部に残っているグリスをすべて取り出すと作業が楽になります。
内部のグリスを抜くと溝が2ヶ所ありますのでその部分から軸受けを取り外すと楽に作業を進めることができると思います。
これがそれぞれインナーとアウターの軸受けを取り外したときの写真です。
先ほど申しました溝を確認できると思います。
ここまでバラしましたらストラッとのスピンドル、そしてハブの中に残ったグリスを綺麗に落としてしまいましょう。
この時、確認しなければならないのはスピンドルに打痕、擦り傷が無いかです。
もし傷などがありましたら寿命が近いのでお金を貯めておきましょう。
古いグリスを綺麗に除去しましたら今度はハブ本体にベアリングのガイドを打ち込みます。
まずはアウターからはめてみました。
写真の一番左が新旧の軸受けを並べた写真です。
ドライバが向かっている方が古い軸受けです。
少し焼けているのか茶色くなっています。
同じくインナーの方です。
こちらもドライバが向かっている方が古い軸受けです。
こちらが今回使用するグリスです。
購入後、約6年経過していますがまだ半分も減っていません。
次にベアリング本体にグリスを擦り込みます。
ベアリングを取り付けた後ではグリスをベアリングに入れることが出来ないのでこの時に入れます。
多く入れることに問題はないと思います。
あとはハブ本体にベアリングを入れインナーに関してはシールを取り付けて終了です。
もちろんこの後、ハブ内にグリスを充填しなければならないのですが。
少し多めに入れても問題ないと思いますのでたっぷり入れてください。
ハブにグリスを充填しましたらいよいよスピンドルに差し込みます。
グリスを多く入れていますと少し入れ難いですが何度も出し入れ、回転させると自然に奥まで入ります。
このとき出てしまったグリスは潔く捨ててしまいましょう。
しっかり奥まで入れましたら始めに外したワッシャを入れます。
次にナットを取り付けます。
その後、グリスとハブ、スピンドルが良く馴染むように回してください。
良く馴染ませたら最後に回り止めのキャップをはめてください。
最後に再利用ですが割りピンを入れます。
このピンが新品だとスムースに入りますが再利用のピンだと上から軽く叩かなければなりません。
後はハブキャップに軽くグリスを入れ蓋をするだけで完成です。
長々と書きましたが約1時間で終了してしまうこの作業でハブのガタツキが取れてしまいます。