ダイレクトイグニッションにする
いままで、20バルブの点火と言えば同時点火というのが常識でした。
しかし、コイルが2個になるということ、ECUによってはイグナイタも2個必要になってしまう事態となってしまいます。
同時点火キットの値段もかなり高いですし私の場合は4A-GZ用のものを流用していました。
しかし、20バルブエンジンでもダイレクトイグニッションコイルがプラグまで届く物を発見してしまいました。
VQ30DET用のコイルです。
先日、オークションにて1000円で手に入れてしまいじゃあ試してみようと思ったのが始まりです。
これは新型シーマの部品で1本約8000円程度と思われます。
また、コイルとの接続に新型シーマのハーネスを準備しようと考えたのですが
エンジンハーネス全体を用意しなくてはならないことが発覚しました。
そこで解体屋で合うハーネスを探したところS13,14,15、180SXなどのSRエンジン用のものが丁度合ってしまいました。
しかし、配線が根本的に違うので配線の入れ替えが必要になりますが。
左のコイルがVQ用で右がSR用です。
コネクタ形状も同じことがわかります。
写真では見えにくいのですが左1番ピンからー、+、Eとなっております。
しかしVQ用コイルは左からB(ベース)、E(エミッタ)、C(コレクタ)となっているのです。
この1番に点火信号を入れるのです。
そこでコネクタを分解し2番と3番ピンを入れ替える作業を行います。
下の写真が分解したところです。
次に配線の加工を行います。
1番気筒と4番気筒へ行く信号線(B)を1本へ、2番気筒と3番気筒へ行く信号線(B)を1本へ
合計4本の信号線へ変換します。
MoTeCの場合は点火信号をコイルの数だけ指定することができるのでさほど難しいことではありません。
フリーダムですとオプションでダイレクトイグニッションを駆動できる回路を追加できるか・・・。
しかし、純正のECU等ではその方法が使えません。
デスビのピックアップを利用して点火信号を取る。または、4A-GZのECUの場合ですとイグナイタに行く信号を加工して点火信号を取るようにしてください。
基本的には各気筒の点火信号を利用する方法と同時点火のように1、4番と2、3番の信号を取る方法しかないと思いますので。
('04.03.04追記)
ECUを使用せずにピックアップコイルから直接点火信号を得る場合、基本的にAE86等のデスビのピックアップ信号はG,G−の信号で交流の成分を示します。
この信号自身では振れが小さいのとマイナス側へ振れたりなどHLが不定ですので直接ダイレクトイグニッション内のトランジスタを作動させるのは困難と思われます。
トランジスタは普通、0.6〜0.7VぐらいからONしますので・・・。
このピックアップコイルから点火信号のデジタル化ですが、全波整流と半波整流の2つが考えられます。
回路ですがダイオードブリッジなどを使用して作るのが一番簡単な方法と思います。
全波整流し、その出力をある程度のコンデンサで平滑化すると最大で0V〜2Vの短形波を作れるますので。
もちろんですが短形波の確認にオシロスコープが必要です。
低回転でも高回転でも一様な短形波が出る値はどのくらいかは想像できませんが・・・。
もしも全波整流を行い短形波を作るのが嫌だ・・・と言うのであれば半波整流を行うのもよいかと思います。
通常の半分の短形波ですがダイレクトイグニッションには問題ないと思います。
ダイレクトイグニッションのドエルタイムよりもデスビからの信号のほうが全然長いですので。
ピックアップ信号を短形波へした後、その信号を5Vへ変更した場合、74HC123等を使用して立ち上がりもしくは立ち下りパルスの位置で1〜2msの信号を発生すれば、その信号をトランジスタなどの電流を取れる素子を介しイグニッションコイルへ送ることが出来ると思います。
こちらが実際に信号線をまとめE(エミッタ)をアースへC(コレクタ)を+12Vへ接続した写真です。
配線を綺麗にまとめます。
ヘッドにダイレクトイグニッションコイルを固定するための穴をあけるわけにはいかないので純正のカバーで上から押さえつける方法を取ります。
配線を取り出す位置にもよりますがかなりピッタリと収まります。
こちらが今までお世話になっていた同時点火一式です。
ごくろうさまでした。
駐車場ではダイレクトイグニッションの効果はハッキリとわかりませんでしたが
実際に道路を走ってみると気持ち回りが軽くなったように感じました。
また、同時点火で使用していた1式と比べるとホンの僅かだけ軽くなったことがこの効果でしょうか。
しかし、コイルへの出力が4本取れるのであれば高回転時の失火を防げるので良いかと思いますが
私の行った方法では同時点火とあまり変わらないのが実情と思っています。
まあ、サーキットを走ってみてからでないと本当の効果はわかりませんね。